まず、言葉の説明です。

一次性頭痛とは、何らの器質的原因によらず発生する頭痛と云う意味です。
そして器質的と云うのは例えば脳腫瘍や脳内出血等のように何らかの原因疾患がある場合に使う言葉です。

大分類の1-4までが一次性頭痛です。大分類の5以下は二次性頭痛です。
この種の頭痛を診断された場合はあまりひどく心配する性質のものでは無いのです。

個人的には、このような分類にはまったく興味が無いのですが、面白そうな記述もありますので記しておきます。睡眠時頭痛以下は分類の意味不明な頭痛と云えましょう。


 ●一次性穿刺様頭痛
 何の事はありません。側頭部辺りに時々キューとくる頭痛の事です。緊張型頭痛の見逃しでしょうね。

 ●一次性咳嗽性頭痛
 何の事はありません。咳をした時に発生する頭痛です。一次性かどうかの診断が肝心な点です。

 ●性行為に伴う一次性頭痛
 読んで字の如し。

 ●睡眠時頭痛
 あまり聞いた事の無い頭痛です。一応列挙まで。意味不明。

 ●一次性雷鳴性頭痛
 その存在さえ疑われると云う幻の頭痛。一応列挙まで。意味不明。

 ●持続性片側頭痛
 軽症の片頭痛の見逃しでしょうね。

 ●新規発症持続性連日性頭痛
 緊張型頭痛と区別する積極的な理由は無いと思うが。あるいは、二次性頭痛の見逃しでしょうね。

 ●番外1〜国際頭痛分類では心因性頭痛は何故か二次性頭痛の方へ入っています。しかしながら、精神病という病名が付かない場合でも、慢性的な精神的ストレス等によっても頭痛は発生してきます。頭痛をテーマとする以上は一次性頭痛として扱った方が良いと思うが。つまり、二次性頭痛と呼ぶべき状態は頭痛治療は二の次状態であろうと思われるから。

心因性頭痛 (psychogenic headache)

ある種の鬱状態やストレスに伴う頭痛があります。この頭痛には、筋緊張性頭痛あるいは片頭痛が合併していることがよくあります。逆に、筋緊張性頭痛や片頭痛には心因性頭痛が合併することあります。

この頭痛は早朝とか夕方近くになると強くなる傾向があります。しばしば、不眠、めまい、全身倦怠感といった症状を伴っていることがあります。

鎮痛剤がほとんど効きません。そればかりでなく、それ以外の薬剤あるいは治療に対しても効果が薄いことが少なくありません。痛みについては、上記のような理由から筋緊張性頭痛や片頭痛に似ていたりします。筋緊張性頭痛や片頭痛の治療をすると、頭痛は一旦は軽くなることが多いのですが、そのうちに再び頭痛が強くなります。

 ●番外2〜本来片頭痛の項目です。

脳波異常を伴う片頭痛

片頭痛の中には、脳波異常を呈する場合がしばしばあります。本来、そのような頭痛は、片頭痛の項に分類されるべきものです。ただ、治療という面から見ますと、そのような頭痛では、片頭痛によく使用される薬剤があまり効果無く、抗痙攣剤が有効な場合があるので、あえてこちらに書くことにしました。誤解してならない事は、このような脳波異常は必ずしも「てんかん」と関係しないということです。脳波と頭痛に関しましてはこちらを参考にして下さい。