本項は多少詳しく分類を書き記して置きます。様々な頭痛があるのだな、程度にご覧下さい。

6.1 虚血性卒中または一過性脳虚血発作による頭痛
6.1.1 脳梗塞による頭痛
6.1.2 一過性脳虚血発作による頭痛
6.1のような頭痛は無いとまでは云わないが、あまり問題にされない。
6.2 非外傷性頭蓋内出血による頭痛
6.2.1 脳内出血による頭痛
6.2.2 クモ膜下出血による頭痛
当然、出血性病変の方が頭痛との関連性はある。
6.3 未破裂血管奇形による頭痛
6.3.1 嚢状動脈瘤による頭痛
6.3.2 動静脈奇形による頭痛
6.3.3 硬膜動静脈瘻による頭痛
6.3.4 海綿状血管腫による頭痛
6.3の頭痛の頻度はひどく低いものでしょう。分類のためにとりあえず列挙してみましたと云う印象です。
6.4 動脈炎による頭痛
6.4.1 側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)による頭痛
6.4.1は頭痛を来す疾患として有名ではあるが見かける事は稀。
6.4.2 原発性中枢神経系血管炎による頭痛
6.4.3 続発性中枢神経系血管炎による頭痛
6.5 頚動脈または椎骨動脈痛
6.5.1 動脈解離による頭痛・顔面痛・頚部痛
6.5.2 動脈内膜切除術後頭痛
6.5.3 頚動脈血管形成術後頭痛
6.5.4 頭蓋内血管内手技による頭痛
6.5.5 血管造影性頭痛
6.5は脳外科医以外には無用の頭痛。
6.6 脳静脈血栓症による頭痛
6.6は頭痛としては問題となる疾患である。しかし診断が困難。さらに滅多に無い疾患である。
6.7 その他の頭蓋内血管障害による頭痛
6.7.1 皮質下梗塞および白質脳症を伴った常染色体優性脳動脈症(CADASIL)
6.7.2 ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群(MELAS)
6.7.3 中枢神経系の良性アンギオパチーによる頭痛
6.7.4 下垂体卒中による頭痛

以下は若干の補足です。

6.2.1 脳内出血

この出血による頭痛はくも膜下出血の頭痛ほど激しいものではありません。吐気・嘔吐を伴うこともあります。これも危ない頭痛の一つです。高血圧性脳内出血、海綿状血管腫からの出血、等があります。

6.2.2 クモ膜下出血

症状としては、非常に強い頭痛とそれに伴って吐気・嘔吐を来します。また、多くの場合には意識障害も伴っています。頭痛は「金槌で頭を殴られたような」頭痛というような表現がよくされます。クモ膜下出血という文字通り、クモ膜下を走行する動脈が破れて出血を起こしたものです。一般には太めの動脈が原因血管となるものですから、出血は大量となり易く症状は重篤になります。原因となる病気には、脳動脈瘤破裂、脳動静脈瘤破裂、モヤモヤ病、等があります。