下の画像を見て下さい。左右いずれもランプシェードを支える部品のハープです。大きさの違い以外にどこに違いがあるか分かります か? 左は日本製で着脱型の八インチハープ、右は米国製で着脱型の七インチハープです。もちろんツヤ消しの有無の違いがありますが、もっと基本的な違いがありま す(1インチは約25mm)。

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 余談ながら日本製ハープでは着脱型以外にも一体型があり、そちらの方を好まれる人も多いようです。米国製ハープでは、このような 金色以外にもニッケルメッキを施した銀色の製品もあるようです。

 さて、画像をよく見ると、左右のハープ先端のネジの太さに違いがある事がお分かりになりますでしょうか?日本製はミリネジ規格で 5Mと呼ばれる直径5mmのネジで、米国製はインチネジ規格で1/4インチネジ(約6mmと少し)なのです。

 1/4インチネジと申しましても、これには2種類のネジがあります。すなはちピッチ(つまりネジ山が1インチの長さに何個あるの か)の違いによって並目と細目の2種類に分けられているようです。(参考:www.neji.co.jp/kikaku.htm)並目だとピッチは20 個、細目だとピッチは28個と云う事になります。実際に調べてみますと、このアメリカ製のハープのネジは細目で28個の方だと云う事が分かります。「分か ります」などと書いたのは、検証していないからです。米国でこのネジの規格がどのように記載されているかと云うと、「1/4-27M」 なのです。つまり、1/4インチネジでピッチは27個だよとね。

 米国製のランプパーツの1/4インチネジには現代では大抵の場合「1/4-27M」が使われているようです。しかし、古いランプ になりますと「1/4-20F」が使われていたりします。Mはオスネジで、Fはメスネジの意味です。

 このネジ部分には卓上型ランプではギボシ、つり下げ型ではループと呼ばれるパーツが接続されます。あるいは、卓上型ではランプ シェードの位置を上げるためにシェードライザーを使う事もあるでしょう。

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 これは米国製ハープをランプベースにセットした所です。ランプベースはオールドノリタケのウェッジウッド風ベースです。ベースの 外観は白、緑、ピンクの三色の色から構成されています。ハープと電球を付け加え、電源コードを張替えた以外には手を加えていません。電源コードは張替えた く無かったのですが、いたみが激しい上にオリジナルのコードとも思えなかった(ビニールコードでした)ので。

 日本製ハープもセットしてみましたけれど、ハープ上のシェード固定を行うネジが5mmの太さではシェードの安定感が今一つ不安な ので米国製ハープにしてみたわけです。この米国製ハープに合うギボシなりをハープ上にセットするわけですが、ステンドのシェードを作成しておりましたの で、それを支えるホイールと云う部品に接続する事にしました。

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 これはランプ下からシェードにホイールを取り付けた画像です。ホイールの中央部分のメスネジにはニップルと呼ばれる中空製のオス ネジを合わせるような仕様になっています。

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 上の画像は陶器ベースの内部に電源コードを通すために用いられる真鍮パイブをホイールに取り付けてみたものです。ニップルと同じ 太さになっていまして、パイプ両端にネジが切ってあります。

 日本製ニップルは1種類の直径の製品しか見かけませんけれど、米国製のニップルは2種類のニップルを見かけます。1/8 ips, 1/4 ips と呼ばれていて、ips は iron pipe size と云う意味だそうです。普通よく使用されるのは、1/8 ips の製品で、日本製ニップルはこれと同じ太さかと思われます。1/4 ips の製品は、1/8 ips よりも太くなっていて、その中空の内部に 1/8 ips のパイブがすっぽりと入り込むようになっています。1/8 ips のニップルの外径は 3/8 インチになっているようなのですが、それを何故 1/8 ips と呼ぶのか、よく分かりません。

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 さて、このホイールを実際にセットするのはハープ上の「1/4"-27」のオスネジなので、そのままではホイールのネジとうまく 合いません。そこでネジの太さを変えるブッシングと云う小道具が必要になります。上の画像は、ブッシングをホイール中央のネジ穴にセットしてみたところで す。

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 ピンボケ画像ですが、ハープの上にこのブッシングをセットしてみたところです。このブッシングの規格は「1/4-27F x 1/8 IPM」です。つまり、1/4 インチで27ピッチのメスネジと1/8 IP でオスネジを切ってあるブッシングだと云う意味です。日本製のブッシングで6Mと云う名前のブッシングがありますけれど、これは「1/4-27F」では無 くて、「1/4-20F」になっているようで、米国製のハープには合いません。これは想像ですが、日本で1/4インチネジと云えば「1/4"-20」の事 であり、米国で同じ1/4インチネジと云えば「1/4"-27」の事のようです。つまり使用頻度の違いから来るもののようなのです。

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 左が日本製 6M ブッシング、右が米国製のブッシングです。
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 それぞれのブッシングに合うオスネジを置いてみました。どちらも1/4インチオスネジですが、左はピッチ20、右はピッチ27で す。右のオスネジを切った部品はシェードライザーと云い、ランプシェードの位置を高くする部品です。ハープを使う場合には、ハープのサイズを変えたりすれ ば簡単に高さが変えられるので、この部品のお世話になる事も少ないでしょう。しかし、ハープを使わない金属製のランプベースの場合にはシェードの大きさに よって高さを変更した場合もあるでしょうから、必要な部品になってくるようです。

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 こうしてランプシェードを取り付けてみた画像です。ステンドは2作品目で、出来の方はさっぱりです。それにランプベースとも似合 わないような気がします。ウェッジウッド風にはリネンのシェードの方が似合うような気がします。シェードの製作にルーターを初めて使ってみました。これで ガラスの切断面の研磨時間は確実に短縮できました。でもまだ鬱陶しい程作業が進まないので、リングソーを導入することにしました。2作品目がうまく出来な かったとなると、シェードはどのようなものでもよくはない、と考え始めるようになりました(これを転落の始まりとも云ふ)。

 このシェード作りでの教訓(独断とも云う):

 ●当然と云へば当然なのですけれど、ステンドの出来はガラス選びに左右される。つまり気に入ったガラスをしっかり選ぶ。

 ●あまり多くの色を使わない。同一色系のグラディエーションは1色と考えて、三色程度でまとめる。

 ●バックグラウンドはなるべく寒色系の色を使う(白、青等)。

 ●卓上ランプシェードには透明系のガラスは使用しない。天上釣りランプシェードは可。