ランプ事始め


 ステンドランプには関心が以前よりありましたけれど、作成方法が今一つ不明瞭なために長い間手をつける事がありませんでした。

 そうこうしている頃、米国では、花瓶をランプ台にしたランプが存在している事に気がつきました。いろいろ調べてみますと、米国で はセラミック・ショップと云ふ、花瓶をランプ台に加工してくれる店や、ランプ・パーツ店が沢山ある事にも気がつきました。

 そこで、この花瓶のランプ台(これをランプベースと云います)を入手してみようと思い立ち、10インチ程度の高さの花瓶を入手し ました。インチと云うくらいですから、米国で使われていたものです。

 さてランプベースは入手したものの、これには電源コードを通す金属パイプと、ベースキャップと云う花瓶の口を覆う真鍮の蓋と、電 球ソケットしか付けられていませんでした。

ロイヤルニシキ花瓶ベース


 これは明治か大正時代に輸出用として日本で作られたRoyal Nishiki と云う陶器のランプベースです。これにランプシェードを取り付ければいいのですけれど、当初は一体どのようにしてシェードを取り付ければいいのか分かりま せんでした。それはジュゾンステンドグラスと云う香川県にあるウェブサイトで教えていただく事ができました。ハープと云う太い針金製のシェードを支える製 品ですね。このようないきさつでステンドグラスのシェードを作成してみる事になったのです。

ハープA


 そのためか、シェードそのものには関心が薄くて、シェードはどのようなものでもよい。使えさえすればいいと云ふ気楽な気持ちで作 業にかかりました。

 ステンドグラスをいじるのは初めてで、勝手がよく分からないまま、電動工具は一切無しで、ガラス切りと砥石のみを使って3週間で ランプシェードが完成しました。これはジュゾンさんで紹介された入門者用ステンドシェードキットの完成画像です。

ステンドランプ1号


 シェードのデザインは比較的古くからあるもののようで、メーカーは不明ながら、薄緑とアンバー色が逆転した位置関係にある古風な 18インチシェードを見かける事がありました。本シェードは下端の直径が7インチのシェードで Worden 社が販売しているランプシェードキット(ガラスまでは含まれていません)の1つです。それにしても電動工具無しですとさずがに疲れますので、以後は電動砥 石(ルーターとも云う)を導入する事にしました。

 この時には上手い具合に日本製の着脱型のハープを使いましたので、問題は発生しませんでした。でももし、一体型ハープを使ってい たらランプベースとハープがうまく接続できずに困った事になっていたでしょう。多分、ジュゾンさんの方で、そう云う問題点を承知の上で着脱型ハープを勧め てくれたのだと思います。

 このシェード作りでの教訓:

 ●シェードの裏側はあまりハンダを多く乗せない。さもないとハープなりと衝突してしまう。

 ●ハンダ付けは電気関係でしばしばやっていたので簡単に見当が付いた事。ハンダ付けは3段階にする。
  • (1)点ハンダ付け。30ワット以下の小さなハンダゴテがよい。使うハンダも電気配線に使う糸ハンダで良い。使用しているガ ラスピースの変更ができるのはこの段階まで。ガラスピースの変更には銅メッシュのハンダ吸収網を使うとよい。ハンダを付ける前にコパーホイル面にフラック スを付ける。フラックス以外は使わない。
  • (2)溝ハンダ付け。100ワット程度のハンダゴテを使う。棒ハンダを使用してガラスピースの間にさらりとハンダを流す。鉛 入りハンダの煙は吸い込まないように。
  • (3)盛り上げハンダ付け。(2)のハンダがしっかり冷えて後に行う。