- 稀発反復性緊張型頭痛
- 頻発反復性緊張型頭痛
- 慢性緊張型頭痛
- 緊張型頭痛の疑い
緊張型頭痛は、筋収縮性頭痛などとも呼ばれます。長時間、うつむいたままで仕事をしたり緊張が持続したりすると、後頚筋に持続的な収縮をきたし、その筋肉内の血管が収縮し、「痛み」や「こり」が発生します。この痛みは「締めつけられるような」鈍い痛みです。ズキズキとした痛みではありません。痛みの部位は、後頭部が多いのですが、側頭部あるいはさらに前頭部、はては頭部全体に及ぶこともあります。また、頭痛が強くなるとめまい感や吐気を伴う事がありますが、嘔吐まで至ることはありません。
最も高頻度にみられる頭痛で、全頭痛の実に75%をうわまわるという報告*もあるようです。
この頭痛は、温かい風呂に入るとか、睡眠不足があるようなら、充分な睡眠をとることにより、軽くなる傾向があります。よく、肩を冷やしたりする人がいますが、これは逆効果です。また、枕の高さが高すぎたり、あるいは低すぎたりしてもいけません。バスタオルを2〜3回折り畳んだ高さくらいの枕を使うようにするといいでしょう。
若い人では頚部や肩の症状をまったく伴わずに側頭筋(前頭側頭部)の辺りにキューと突き刺すような頭痛となって発生する事もよくある事です。
参考【治療】
抗不安剤(エチゾラム系剤等)〜副作用として眠気や注意力の低下をきたすことがあります。
中枢性筋弛緩剤〜脱力感、ふらつき等の副作用をきたすことがあります。健康保険では使用を認められていません。
参考【片頭痛との関連】
緊張性頭痛と片頭痛は混在する場合もあり、この両者の間にきちんとした線を引くことが困難なことがあります。そのため次のような一源的な説明をする人もあります(一般的な説明ではありません!)。
- 若い頃は、前兆を伴った、嘔吐も激しい片頭痛
- それが、年令とともに、前兆が消失し、嘔吐や頭痛の程度も軽くなる
- やがて中年頃になると、緊張性頭痛を合併した混合型片頭痛となる
- さらに年令を重ねると、片頭痛の症状はわずかになり、緊張型頭痛だけになる
以上の、緊張型頭痛は、検査してみても頚に何らの変化が無い場合のことです。症状としては緊張型頭痛があっても、医師の診察を受けてみると頚椎等に異常を指摘される場合もあるでしょう。そうなるともはや緊張型頭痛とは申しませんが。
* http://www.achenet.org/understand.htm